電車で妊婦に意地でも席を譲らなかった結果wwwww
引用元: ・妊婦に意地でも席譲らなかった結果大変な事になったぞww
私はほとほと疲れていました。
東京駅始発の中央線に乗り、立川まで旅路をグッタリしながら電車に揺られておりました。
各駅に止まるたび次々と客が乗ってきます。
私は死んだような魚の目をしてぼーっとしていました。
電車の窓に映り込む疲れ切った逆さの私は、酸素が足りずに弱っていく魚のようでした。
そうです。
私達は魚でした。
ぱくぱく、ぱくぱく、ぎゅうぎゅうの水槽内で酸欠に喘ぐ魚です。
そんな摩訶不思議な妄想をしていると、1人の腹を膨らませた妊婦が三鷹で乗ってきました。
一目で分かる膨れ切ったお腹。
背負ったリュックに「私は妊婦です」と書かれた可愛いキーホールダー。
妊娠半年でしょうか。可愛らしいショートカットの女でした。
女はこれ見よがしに私の前に立ちました。
譲ったれよ
お前の母ちゃんも色んな人に手伝ってもらって
お前がいるんだからな
いつもなら颯爽と、丁寧に、紳士に席をレディに譲るところですが、
今日は…!
今日は無理だった。
足は棒だし、精神は枯れ枝。
この加速する特別快速の揺れに私の身体はもたない。
そう判断しました。
両隣をみると明らかに寝たふりを決め込んでいる老人2人。
「あたしは老人。あたしは譲らない」
「俺は老人。俺は譲らない」
お前が譲れ
はっきりと心の声が聞こえました。
私はぐるっと眼球を上に向け白目にしました。
私は気絶する程疲れているのだ。
口は半開きにし、端からはヨダレを垂らし、事切れている演技を堂々としました。
どうだ、他の席の前にいけ。
俺は今日は無理だ。ごめん。
けど、本当に無理だから、本当。
そう心の中で唱えたその時…
妊婦の野郎、俺の眼の前でしゃがみ始めやがった!
なんだコイツ…
白々しい演技しやがって、そんなに周りから同情を得て、憐れみを買って、俺から席を奪いたいのか!
俺は知ってるぞ、そこまで腹が膨れれば安定期に入っててそれ程辛くない事を。
むしろ最初期の頃の方が辛いんだ妊婦は。
人によるだろ
持病抱えてるかもしれんし
白々しい演技してるのは自分じゃん
馬鹿野郎この野郎。
まわりの視線が一斉に俺に向かう。
譲れよっ
譲れって
はよ譲れ
譲ってやれよ
心の声が聞こえる
ぎゅうぎゅうの水槽の中で、私を睨む魚達。
私は…
私は…
意地でも譲りたくない。
白目を剥き、気絶したフリをする私。
両隣で寝たフリをかます老人2人。
眼の前で倒れる妊婦。
それを囲むようにして私を睨む魚達。
まるで演劇、舞台の上に立っている様な錯覚にいました。
私は妊婦を恨みました。
自分でもなんて器の小さい男だと思います。
最低な人間だ。
最低で低俗で、愚かな野蛮人。
私は意を決して立ち上がりました。
その瞬間、2人の老人が少し息を飲んだのを感じました。
やっと立ったか
早く譲れよ馬鹿野郎
とでも思ったのでしょう。
そして、私が立ち上がったのを見た妊婦が一瞬ニヤリと笑ったのも私は見逃しませんでした。
私は席を譲るために立ったのではありません。座っていて腰を痛めたから伸ばしたかっただけです。
ぐぅぅーっと腰を伸ばして、再度着席した私を見た妊婦の表情と言ったら、
まるで信じられないものを見るかの様な、そう、怒りと悲しみと憎しみが混ざった憤怒の眼差しで私を睨みつけました。
魚達も同じでした。
私は怒りの集合体を人生で初めてみました。
それは人間という種族の怒りでした。
怯えた私は、電車が新宿に着くと急いで立ち上がり、逃げる様にして車内から脱出しました。
怒りの塊をぶつけられた私は腰をヘコヘコにして、ベンチに座り込みました。
最初っから譲れば良かった。
そして、次の快速電車に乗って帰宅したというわけです。
皆さん、妊婦はこの世で一番偉く、尊い存在なのです。
命のバトンを繋ぐ、人間という種族を繁栄させる希望なのです。
ああ、恐ろしい。
人間というのはやはり一つの集団であり、全員が仲間なのだ。
終わりです
駄文を読んでくれてありがとう。
寝るっす。
皆、妊婦には優しくね。
オイラはこれから生まれ変わるよ。今日は悪い事しちゃったなぁ( ; ; )
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